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タイムマシンの作り方とタイムマシンの定義(新解明国語辞典)
たいむましん【タイムマシン】
それを実現するためには大量の難題を抱えているのが自明なのにもかかわらず、あえてその難題に触れないことで、現実味をなくし、夢を見ることができる夢のような言葉の代名詞。
新解明国語辞典
タイムマシンの作り方
「それではタイムマシンの作り方に話を進めます。
本講義では、初日にタイムマシンの概要を説明しました。
無駄に馬鹿でかいものを送る必要などどこにもないこと、
人体がタイムトラベルに耐えられないであろうことを説明しました。
宇宙船と100名のスタッフをタイムスリップ出来ないならすべてがおしまいというわけではないことを、説明しました。
二日目は、脳と遺伝子の働きを説明しました。
それは、過去の時代に人間の知識、意識を転送するためには何を送ればいいかの参考情報として事前説明しました。
三日目の今日は、どうやってそれらを具現化するかのロードマップを説明します。
最初に、要件の確認と用語の定義です。
要件がぼやけていては、こういった難解なソリューションをクリアできることはないでしょう。
現状で実現可能な見通しの立っていないテクノロジーの要件は、最小要件から始めるのがセオリーです。
要件は、『有形無形の主体を過去に目的通りの状態で送り届ける』こと。
これだけにしましょう。
生肉を送り、美味しそうなステーキが届けば成功ですが、黒焦げならば失敗です。
幼児を送り、成人が届けば成功ですが、死体が届いた場合は……これは成功ですね。
送り込まれる物体にも時間が存在するということを言いたかったのですが失敗しました。
『10年かけて100年前に戻る』という概念を忘れてはいけません。
種を送り、花が届けば成功で、ドライフラワーが届いたら…… あれ?
とにかく送り出すときの形がそのまま維持されることは、要件の中にはないということです。
また実際には何も転送などが行われていなくても、対象の過去に何らかの変化があればそれで目的を果たしたことになります。
これで必ずしも人が同伴する必要はないことになります。
また必ずしもタイムパラドックスを起こさなくても良いことになります。
タイムマシンの定義
次に用語の定義です。
特にこだわりはないのでもっと適切なのがありましたらご提案ください。
まず要件そのものを包括する用語ですが、
『マイグレーション』とします。
転送、伝送、トランスミッションは微妙に文字固有の制限が加わりそうなので避けたいと思います。
対象物も時間も場所も形も特に規制していません。自力か他力かも問いません。
さらに移動が行われる必要もありません、今と過去が入れ替わってもいいし、過去が今にやってきてもいいし、過去の一部が個々にやってきて又戻ってもよしとします。
ということで、ここからは今までのタイムマシン的用法の言葉はマイグレーションという言葉で説明していきます。
マイグレーションを行うマシンや仕組みを『トランスポンダー』とします。
後一般的に使われているタイムマシン関連の用語は次のようにここでは定義します。
『タイムマシン』は乗り物でも仕組みでもなく、送り込むための装置とします。
装置を使わない場合にはタイムマシンという言葉は使いません。
必ずしも送る対象は人である必要はありません、遺伝子組み換えを行なった作物の種を18世紀の畑に送っても良いことになります。
タイムマシンごとマイグレーション出来ない限り一方通行な装置となります。
目的が成功しないうちは皮肉を込めて『回天』と同義です。※1
え〜先ほど申しましたが私はトランスポンダーという言葉を使います。
タイムマシンはいくら定義しても相手には誤解が生じる可能性があるからです。
わたしの気持ちは『タイムマシンなんていらない』です。
『タイムトラベル』は意識をもつ者がマイグレーション完了後も継続して意識を持つことが出来た場合に使っても良い、客観的な呼び名とします。
その者が仕事であろうと、いやいやであろうと、片道であろうと問いません。
意識を持たないもののマイグレーションの場合は、目的のとおりに届けば使っても良しとします
『タイムトラベラー』はタイムトラベルを行い、出発地点に帰ってきた場合のみに使っても良い客観的な呼び名とします。タイムトラベラーのつもりで帰ってこれなかった場合は皮肉を込めて『回天』、いや『ドリフター』とでも呼びましょうか。
『テレポーテーション』はもしも本当に念力で移動ができた場合のみに使っても良い呼び名とします。
ただし量子テレポーテーションにおける<量子の持つ特別な性質>とは<念力>とは異なるであろうことを念のためおことわりしておきます。
用語はこれくらいでよいでしょう。
それでは次に進むまえに、20分間休憩しましょう。」
※1
人間魚雷の回天のことです。
タイムマシンの作り方とタイムマシンの定義(新解明国語辞典) でした。
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