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鹿威し
「結局……」
ヒデオは考えこんでしまった。
一連の出来事、ミカの予言、堀之内医師からの情報で確かに光明は得た。
父の汚名を晴らすために始めた調査から、今や世界を揺るがす新事実を掴んでしまったのである。
身に余る大役を仰せつかったのはいいが、まるで処理できないのである。
いらいらしてつい口走ってしまった。
「結局、何も役に立つ情報がないではないか。
答えがあることは分かった。
誰かがそれを成し遂げることも。
ヒントももらった。
もらったはいいが、だからといってとんとつながらない。」
ご意見番としての職を得たミカは研究室に日参するようになった。
それでも、番犬並みに仕事はない。ゴロゴロしているだけである。
たまに何か相談された時に適当に御言葉を授けるだけで良い。
なぜだか知らぬがそれで閃くものがあるらしい。
しかし、その役目にさほど価値を感じていなかった。
そもそも、世紀の発見とか言ってることの意味がわからない。
「たかだかオカルトや超常現象のトリックの解明ぐらいで何を騒いでいるのだか。」
てな感じです。
ミカにとっては多重人格も、タイムトラベルもまやかし物の一種としか考えてないようです。
如何に相手を騙して、本気にさせるか、マジックみたいな。
解明した暁の発表会(発表会?)でのパフォーマンスもこの程度のイメージです↓。
[youtube=https://www.youtube.com/watch?v=i5gK2MxGR0M&w=400]
とにかく、このギャップがうまく働くようです。
「とりあえず、口が動けばなんとかなるんじゃないの?」
カコーン (頭のなかで鹿威しが鳴り響く音)
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