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私は誰?
「それでは、具体的な方法に移りましょう。
まずは事例から紹介します。
私の古い友人はテレポーテーションが得意でした。
勝手に人に乗り移ることができるんですよ。
この状態を傍から見たらいわゆる多重人格です。
皆さんの周りにもいませんでしたか?
いきなり、昔や未来のことを話しだしたり、顔つきが変わったり、
いきなりキョロキョロしだしたり、観光気分になったりする奴。
そうですその人たちが、過去か未来は不明だとしてもトラベル中の人たちです。
方法は、まずトリガーとしての低周波が必要だとのことです。
装置を作るのは大変なので身近にあるものを利用すると良いそうです。
彼の場合は6方をコンクリートで囲まれた部屋、機械室や電気室のある地下、均等に並んだ太い鉄筋を利用したそうです。
それと転送時の転送波とプラズマ化させフラッシュ蒸発させるためのエネルギーとしてスタンガンが調度良いとのことです。
実際は身近にそんな環境はなかったので、民家に立てこもり、人質を殺害し、刑務所でも大暴れしたそうです。
そのうえ彼は脳の中に錆びたピンが埋め込まれていて、これが共振器として機能していたようです。
この環境にこだわる必要はないので皆さんの周囲で代用できる物があるか見つけてみてください。
低周波はブーンという感じの頭痛感を伴うエネルギー、高周波は脳が燃える感じで文字道理爆発する感じの何かだそうです。
それに加え適度な湿度も必要とのことです。
そうして、うまく転送できた場合、転送先で覚醒するまでの時間は転送量に比例するそうです。
なるべく空っぽな状態で、持ち込まない、持ち帰らない、ということが成功するコツだそうです。
そして戻るときには同じような環境を用意して元の場所に戻るわけですが、
この戻るときが非常に重要です。
必要な環境を見つけ出すことと、一番良いのは出発元と同じような場所に戻ることです。
そうでないと予め戻るための呪文を把握していないといけません。
同様にトラベル中に元の場所がなくなっているのも困りモノです。
特に、戻る体がなくなっていると、先のゴーストの仲間入りです。
その点でおすすめの環境が、進歩のスピードが遅い〇〇病院とか〇〇所ですね。
では、実際にやってみます。
今回ご参加の皆さんには特別にトラベルツールの一式をご覧いただけます。
すぐに規制がかかる場合があるので、速い者勝ちですからね。
それではちょっと準備をしてきます。」
そう言うとIQ226は講演会場をゆっくりと出て行った。
しかし、10分ほど経っても一向に戻ってくる気配が無く、参加者も不審に思い出してきたころ、
「しまった。逃げられたぞ」との叫び声とともに
会場の後方で会場から飛び出す黒ずくめの男たちがいた。
講演参加者たちはがやがやと後に続き、地下にある小部屋の前まで駆け寄った。
そこでは先程の男たちがIQ226の鼻に電極のようなものを突っ込みながら叫んだ。
「急げ、まだ間に合う」
IQ226は電気ショックとともに鼻から湯気が立ち上がらせつつ目を覚ました。
「あれ、ここはどこですか?」
「ぐ〜っ」
とっ、ぐうの音もでない仕打ちを受けた割に発した言葉は皮肉的であった。
「私はどのくらい寝ていたのでしょうか?」
ととぼけた質問をするIQ226に耳を貸す者はいなかった。
どうやらこの公演会場は昔何かの病院のようであった。
地下2階にドアの代わりに鉄格子がはめられた、コンクリートで囲まれた小部屋が並んでいたのであった。
※詫び:第四章のタイトルを 遺伝子操作からタイムトラベルに変更します。理由はそこまで話が展開できなかったからです。ご了承ください。
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