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意識と脳内マップの役割
「それでは、意識について説明します。
まずは、すでにまとめたものがあるので、こちらをご覧ください。」
IQ226はおもむろに「意識の定義 (新解明国語辞典)」をディスプレイに表示し、さらに続けます。
「え〜、見たとおりです。
これからお時間まで、この記事について解説いたします。
既にご承知の方々はここでお帰りになられても結構です。
それでは。
まず意識の定義はこの記事の通り、ミジンコにもあるものとします。
人類だけに限ってしまうことは、科学者としては実に致命的な壊滅思考です。
なぜなら意識より大事な『無意識の解明』の道を閉ざしてしまうからです。
<人類にしか意識がない>と豪語する方たちは<猫には意識がない>と言っているのも同然です。
では、<猫には無意識もない>と豪語できるのでしょうか?
<無意識の定義>の問題もありますが、<意識のない行動が無意識>であれば、当然無意識はすべての生物にあることになります。
では無意識が判断することと、意識が判断することの違いは何でしょうか。
意識が高次元で、無意識は低次元でしょうか?
そんなことはないと思います。
正しくは、意識、無意識を問わず、インプットに対してアウトプットする仕組みを最初に究明すべきでしょう。
そうすれば副次的に意識についても解明の糸口はたやすく得られ、間違っても意識の定義すらできないということは起こりえないでしょう。
普通に考えても<意識の定義>は本来であれば、はるか昔に定義されているべきであることは明白でしょう。
このことはいろいろな面で科学者の特徴である猿の尻笑いを顕著に表しているように感じるのは私だけでしょうか。
話を戻します。
同じ情報源であるのに結果が人それぞれ行動が異なるのは意識のせいでしょうか
意識の仕組みが解明できたら、意識まで同じクローンはできるのでしょうか?
SFの世界でよく出てくる奴ですね。
これは、現時点ではできないでしょう。
なぜかというと、
インプットに対してアウトプットするフィルターをまるで考慮していないからです。
<遺伝子が同じなら感情も同じだろう>これが間違いであることは、嗅覚の神経経路を特定できない例を持ち出すまでもなく、おわかりでしょう。
そもそも同じものを見ても違う結果になるという『カオス』的なトラップを遺伝子は完備しています。
これが実は進化のランダム性を生み出す仕組みだったりします。
じゃあ、お手上げかというと、そうではありません。
ここで件の『脳内マップ』の登場です。
同じ情報を、同じ脳内マップに照射してインプットすれば、アウトプットは同じになる。
これが実証済みの結論となります。
生まれる前から備わっているマップ、睡眠時に作成された過去のマップ、さらには遺伝子が修正した嘘で塗り固められた過去・未来のマップが多数用意されているのです。
どのマップが選ばれるかは、入口次第です。どの細胞が受け付けてしまうかによります。
この入口の選択自体を意識の役割としてしまうのはよろしくありません。
『間違いのカオス』は楽しめますが、時間は浪費します。
選択は細胞たちの状態と考えるとよいでしょう。
栄養状態や、ストレス状態、偶然、これらの生理的状態で決まります。
この生理状態までを意識に含めてしまうことが、大きな間違いです。
と、このように複雑に考えずに、ミジンコ並みに普通に考え、整理するだけで、21世紀最大の難題は自明の理と成り下がります。
手前味噌ですが、我がユニットチームでは『バッハ』の脳内マップを作成し、『外部からの情報照射による作曲』を成功させております。この実験は次回は『二声の逆行カノン』、BWV1079を転送する予定です。
さらには『回文的逆行可能なカノン』と呼ばれている『モーツァルト』の楽曲を試す予定でおります。
この人類史に残る成功を記念しましてマスコットを作成しましたので、お帰りの際はお手に取り、ご購入いただければと存じます。
この講演でのみの特別キャラクターとなっております、是非是非……」
講演二日目はこうして講演内容が希薄化していくのでした……。
続く。
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