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リカルド・コスタ

「オオ~ぅ」

・・・

「オジョーさん、お待ちなさい」

テクテク逃げようとするミカにオジサンは声をかけた。

「これこれ、おまちなさい、悪いようにはセンから」

振り返ると、たったいま刺したばかりのオジサンが
たったまま腹部からいろいろポタポタさせながら手招きしている。
見た目はオジサンなのに話しぶりは老人だった。
さらにどう見ても外人なのに流暢に日本語をしゃべる。

ミカは、なにか感じるものがあり、
引き寄せられるようにクテクテ戻った。

仕方なく、いきがかり上、おそるおそる聞いてみた
「大丈夫?」

と、「ハッハッハッ~」と返された。

「オジョーさん、これからが見ものじゃぞ」
「そうですか・・・」そうとしか言えなかった。
「いやなに、この辺に立っておればプスリと現れると聞いたもんでな…」
勝手にしゃべりだした。
こちらの都合は関係なく、聞いてくれると思い込んでいる節がある。

「そうですか・・・」
ミカは、生来音楽好きだったので、この老人なオジサンの嬉々とした話しぶりには、
思わず合いの手を入れてしまうのであった。
「んで?」
「あ~あ~ワシはな」
「こう見えてもワシは1月1日生まれの昭和29年で、頭の中にクリップが入っとってな、檻の中から出られんのじゃよ」
「・・・?」さすがのミカも合いの手を入れようがなかった

「だからこのオジサン借りてここに立っとたん訳なんじゃよ」
「オジサンがポルトガル人なのは前回のタイトルのせいじゃ」

「そうだったんですか・・・」ぜんぜん訳がわかりません。
「あの~ 救急車呼びましょうか?」ポタポタの流れ的に聞くしかない。

「いや、せねばならぬことがある」

 

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