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ベールに包まれて
「おぉぉ おぬしは」
「あっ おじいちゃん。お元気でしたか?」
「まあな、この間おぬしに殺されたばっかりじゃがのぉ、この通り、元気に刺されちょるわい。
おぬしも、捕まりもせず元気なようじゃな」
「捕まらないよ、逃げるのはやめて、持ち帰って油紙に包んで埋めちゃうの。おかげさまでうまくいってるわ。
それより聞きたいことがたくさんあるの」
「こちらもじゃよ。
おぬしは混血か?」
「曾おばあちゃんは北欧の人よ。エーテルとかいう名前だったかしら。でもみんな鈴さんってよんでたそうよ。
それがどうしたの?」
「いや、おぬしも同族かと思ったのだが……ただの血統書つきのお嬢ちゃんか」
「私の親戚にMはいないわ、でも血の付く言葉は大好き!
それよっか、教えてよ。
あれからいろいろ調べたの。
おじいちゃんって、あのS氏なの? 牢屋から出張してるの? 殴って血を見るのって快感?」
「まあな……」
「やっぱり。でもね、そこまで分かってもキーワードの意味は分からなかったわ。
私には無縁の話よ。だから、キーワードを伝えるべくたくさんの人に会ったのだけど、それらしい人にも会わないし、
いったい私はどうすればいいのよ?」
「そうかあ、それは困ったのう……」
「アノ〜 オ取リ込ミ中 オソレイリマスガ……F・キヨシをゴ存知デスカ?
ワタクシ、ムスコノ ヒデオトモウシマス」
「おおお お嬢ちゃん、もう一回刺してくれ! 死ぬまで刺し続けてくれ」
「がってんだ」
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