高いところから降りられない猫と やぶへびでやじうまな下僕達
ことは、自分勝手な人間目線でのみ語られることにより一向に解決しません。
大抵こんな感じです。
木登りですか?
見晴らしが良くてご機嫌そうね~
下りれなくなっちゃったのでか?
それは困っちゃいましたね~
よろしいことよ!
私が助けてあげる
そ
し
て
おいしそうでしょう?
餌でつられて降りてくることは稀です。
と、たいていここで訳知り顔の野次馬がしゃしゃり出てきます。
わしに任せない
良いことを教えてやる。
猫ってのはな、
もともと木の上に住んでおったのじゃよ~
だ・か・らー
いくら高いところから飛び降りても大丈夫なようにできておるんじゃぞ~
わかったら飛び降りてこい
ねこちゃん!私の胸にとびおりて!
ここで、野次馬の皆さんに猫ちゃんが
高いところから飛び降りても大丈夫なことを説明しましょう。
蜘蛛とか蚤とかが、いくら高いところから落ちても死なないどころか無傷(多分)でいられることはご存知ですよね。
これはターミナルベロシティ効果のたまものです。
ターミナルベロシティとは、自由落下時における終端速度のことで、ある程度の高さ以上からは落下スピードが変わらないという物理的な現象のことなんですね。そのスピードはご存じ重力に加え、自身の体重と二次元的な面積と、空気抵抗係数と空気密度と、温度、気圧、気流さらには
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と、いうわけで猫はいくら高所からでも命を落とさないことが広く知られています。
そして驚くことにその成功率は、着地直後に動き回る率98.8%!後遺症などでの残念な結果を省いた数値でも94%といわれております。
これは体操の内村選手の着地成功率を上回ります。
だから猫ちゃんはいくら高いところから落ちても大丈夫なんですよ~。
ぬこちゃんがイナイ!
とんだ失態だ。
最初からおとなしく下りればよかった……

こうして今日も平和な一日が終わるのでした。
他人事とはよく言ったもので、まるっきり猫事をわかっておりません。
ここで先ほどの場面を猫目線で見てみましょう
木登りですか?
見晴らしが良くてご機嫌そうね~
吾輩はそんな暇猫じゃない。
これからちょっと見回りにかなきゃならんので
下に降りるのだ
下りれなくなっちゃったのでか?
それは困っちゃいましたね~
降りられなくなったのではない。
降りるのを手伝わせてやると言っておるのじゃ
だから同情される筋合いではない。
いいからさっさとキャットタワーかカーテンを用意しろ!
よろしいことよ!
私が助けてあげる
せっかく吾輩が用事を与えてあげたのだからさっさとキャットタワーかカーテンを用意して立ち去るがよい!
あ~、なければ座布団でもよいぞ
ん~、それか車でもいいがその場合は屋根やボンネットには毛布か布団を弾くのじゃぞ!
そ
し
て
おいしそうでしょう?
誰も食事を用意しろとは言っておらん
吾輩は降りるにあたって、通り道を用意せよと言っておるんだよ
大体ニンジンなんか食わん
ほら、さっさとやらんから野次馬が集まってくるじゃないか!
吾輩は人差し指は好きじゃが、人に前からでも後ろからでも指差さされるのが大っ嫌いなことがわからんのか~
と、たいていここで訳知り顔の野次馬がしゃしゃり出てきます。
わしに任せない
良いことを教えてやる。
猫ってのはな、
もともと木の上に住んでおったのじゃよ~
だ・か・らー
いくら高いところから飛び降りても大丈夫なようにできておるんじゃぞ~
わかったら飛び降りてこい
ねこちゃん!私の胸にとびおりて!
もちろん指図なんてもってのほかじゃ~
あっちイケー
でも、助けてー!
このようにまるで会話が成立しておりません。
大体屋外において猫に笑顔の呼びかけって、猫から見たら威嚇されてるようにしか見えないことをご存じない。
そもそも、飛び降りても統計的に助かる率が高いということを猫が理解しているとお思いなのでしょうか?
たとえ理解していたとしても、躊躇しているということです。
それに実際に飛び降りに成功したといわれている猫は五体満足だったのでしょうか?
多分、かなりの確率でアゴの部分を強打しているのではないでしょうか?
たいてい飛び降りた直後はどこか一人に慣れる場所に疾走するのが常だと思うので実態は謎ですが。※
もしもあなたが、二階から飛び降りても多分大けがしないことを知っている上で、それでも恐怖から躊躇している場面で
いきなり、格下野郎に上から目線で「大丈夫だからサッサと飛び降りろ」とか言われると、プライド傷つきませんか?
例えばこんな、
人体の、脚の骨の構造からわかる通り、人間も昔、木の上で生活していたんですな。
なので、きっと、人間も、木から落ちることは想定内のはずであるといえよう。
落ちるにあたり、
人間におけるターミナルベロシティは大体時速200Km位じゃ。
ちょっと、激突すると、痛そうではあります。
しかし、大丈夫!
あなたの場合は、終端速度までに至らずに地面に着地することができます。
だいぶ安心ですね。
さあ、どうぞ、飛び降てみろ
ここはいったん下僕であるあなた方が立場をわきまえご主人様にお仕えする場面なんですね。
正解は、
ひっそりと、下りるためのアイテムを整え、そして、こっそりと立ち去るべきなのです。
間違っても、正面から「さあどうだ」とばかりに手柄を誇示してはいけません。
こういう場合は反対側から「おいでおいで」と誘うと、
お前の手助けなんかいらんとばかりに、
先ほど用意したアイテムを利用して無事にミッションを完了できることでしょう。
困っているのはご主人猫様なので下僕人は己のプライドや欲求は捨てないといけません。
そして、うまい手段を用意できないときは、プロに相談しましょう。
JAFや犬猫病院や派出所は、相談された側でも対応方法がない場合が多く、事態が派手になるだけで、逆効果な場合があります。
やはり、定番は消防署!
本当は管轄外な気がするのですが、救出にあたりはしごやクレーン車を想定してしまうので皆さん相談してしまうのでしょう。
結局対応慣れしているので安心です。
管轄違いとの認識の上で対応を依頼するとわだかまりもなくスムーズに運ぶことでしょう。
余裕があったら119番ではなく近くの消防署を調べ直接連絡します。
消防ですか? 救急ですか?
そしたら救急、そして高所の猫の救難であることを伝えましょう
まず状況をよく把握して理解できるように伝えます。
でも、昨今は注意点があります。
救出する猫の保護者の存在です。
完全な野良猫の場合、救出を断られてしまう可能性がある事です。
助けた猫を、そのまま解放することの批判があるのでしょう。
その辺の準備、心構えをしてから連絡しましょう。
で、クレーン車が出ることはまずないと思ったほうが良いでしょう。
まとめると。
騒がない
目を合わさない
話しかけない
安全な降り場所を指し示す
布団を用意する
足場を用意する
さりげなく立ち去る
はしごを用意する
尊敬する
大騒ぎする
話しかける
正面からこっちに来いという
落とそうとする
エサで釣る
上から目線
そんなこんなの高いところから降りられない猫の話だったのですが、
本当はこんなダラダラ長い話ではなく、
「抱いた猫のおろし方」として「首根っこネタ」を書こうと思ったのですが無駄に長くなったので次回にします。
今回触れていない「はしご」の件もふくめて
次回は、木にへばりついている猫の引っぺがし方にも使える「猫の引きはがし方と穏やかな着地のさせ方」お伝えします。
※我が家の飼猫の故茶虎は顎がかみ合わず片目が見えない傷を負いました。
当時本人は交通事故にあったといっていたのですが、どうだか。
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