颯爽とバックで一発駐車し、停車位置の確認もせずに立ち去る。
プロのトラッカーたちの極意を伝授!
それではバックの仕方です。
一言でいうと、
「前進と同じように運転」します。
前進している時について考えてみましょう。
免許証をとりたての時や教習中はさておき、ある程度慣れてきた場合です。
運転中は、障害物の確認程度でさほど細かく物を見ていないと思いませんか?
また、車線のど真ん中を走っているか、車間距離はぴったり1mか、などについても、
あまり神経質に考え込んではいないと思います。
そして、実はあまりうまく走れていないと思います。
その、あまりうまく走れていない前進走行時に、
さらに、バックのときに皆さんが考えているのと同じように
「ぴったり」とか「きれいに」とか考え出したらどうでしょうか?
確認箇所が余計に増える割に、結果は伴ってこないと思いませんか?
安全確認も「右見て、左見て、後ろ見て、サイド見て、また右見て……」。
いつまで経っても終わりません。
普通にドライバーがやっていることがあります。
それは、スピーディに判断して、感(覚)で走る。
バックも同じように走りましょう。
スピーディに判断して、感で走る。
特別なことではありません。
では実践方法を解説します。
まずはスピーディに!
これは安全確保の話です。
走行ライン上には人や障害物がないことが、望ましい状態です。
または避けて走行します。
車には必ず死角が存在します。
その死角に人や障害物が入り込まないうちに、または入り込まないように注意するためには、
運転作業を短時間で完了することが非常に重要になってきます。
具体的には、次の「感」について説明した後、また触れます。
感で走る!
人本来の能力を信じましょう。
バックは、ぐるぐる見回しさえすればうまくできるというものではありません。
逆にぐるぐる見回すと失うものがあります。
それは今までの時間軸が途切れることです。
ぐるぐる見回すということは、その時点で距離感、方向感覚、その他がすべてリセットされます。
豊富な経験があり、リセットしても問題ない方もいるかと思いますが、
バックがうまくできないと思っている方は、その経験が不足していると思います。
リセットしないためには、後ろを振り返りません。
今回は、トラック運転手が行う窓越しに見る確認方法や、
ドアを開けて後ろを見る確認方法も行いません。
前を向いたまま左右のサイドミラー2か所だけを見てバックを完了します。
ちょっとやってみましょう。
場所はひと気も車もないラインだけの駐車場がよいでしょう。
・・・・・・
うまくいかないと思います。
どの程度うまくいかないかというと、運転を習い始めた時くらいでしょうか?
それよりはましでしょうか?
現時点の満点は前方駐車した場合と同じ程度としてみましょう。
前方駐車がうまくできている方は、
この方法でのバックもすぐに同等になります。
そもそも前方駐車からしてうまくできていない方、
そういう人のためにこの解説はあります。
それでは「感」での走り方です。
最初に納める場所(停車位置)をよーく観察します。
歩いて観察ではなく、運転しながら観察です。
前方走行しながら停車位置と、人や障害物を十分確認しておきます。
なるべく死角がないようにするとと安心です。
(安全確認できないところにはバックしない、という判断も必要です。)
バックして入れる道筋(走行ライン)もイメージします。
そしてイメージしたスタートラインに停止します。
そしてサイドミラーだけでバックを始めます。
ここで大事なのが先ほどの「スピーディ」。
安全確認した状況が変わらないうちに行えば、思わぬ事故を避けることができます。
そしてサイドミラーだけでバックするコツは、
確認ポイントをいかに少なくできるかです。
多ければ多いほどうまくいかないことが多いからです。
ミラーを見ながらまっすぐ走るよりも、
何も見ないでまっすぐ走るほうがはるかに簡単です。
そして一発で決めることです。
もちろんイメージしたラインが切返しの必要な場合は、切返しを含めた一発です。
障害物にぶつけないように走り切り、
そこそこイメージした終点に届いたらそこで終了です。
今回のバックの具体的な方法はここまでです。
その後、車を降りてその出来ばえを確認し、採点します。
この、出来ばえを確認し、採点することで、感が育ち、イメージする能力も上がります。
成果が出てくるまでの目標は1年後でもよいと思います。
そして忘れてはいけないのが、この方法でうまく停められなかった時です。
えーと、好きなだけ好きな方法で気のすむまで入れ直してください。
お勧めは最初からやり直すことですが、そうではなく微調整でも良しとします。
ただしこの後処理は評価をしてはいけません。
たぶんやり直しはあまり満足のいく結果にはならないと思います。
そしてその、1年後ですが、
皆が皆、思ったとおりに停められるようになるとは限りません。
自分の限界で満足するようにしましょう。
自分の限界を超えるのには非常に労力を要します。
そんなことよりも、
颯爽とバックで一発駐車し、停車位置の確認もせずに立ち去る。
これで行きましょう!
そう、一発で決めることが、プロのトラッカーたちの極意なのです。
やり直しはしません。
傍から見ればやり直しをしているように見えている時も、
やり直しているのはバックのラインのイメージの作り直しです。
運転操作のやり直しではありません。
もう一度キーワードをお伝えします。
・後ろは振り返らない
・情報は事前に仕入れておく
・70点で満足する
そして、
・自身の才能を磨く
ではでは。
【いやいや極める】お抱え運転手 車庫入れ・バック編 その1
【いやいや極める】お抱え運転手 車庫入れ・バック編 その2
【いやいや極める】お抱え運転手 車庫入れ・バック編 その3
この記事へのコメントはありません。